彼女いない歴35年、モデル体型女性と結婚できました

モテない苦しみと、モテない男が可愛い女性と結婚できた経緯を語ります

有名作家になった夏目漱石は、「金で男を選ぶ女達」への、愛と憎しみを描いた

夏目漱石は国費でイギリス留学できるほどのエリートだったし、

なによりこうして超・超有名作家になったのだから、

少なくとも人生の途中からは、女にモテないなんてことはなかったはず

 

しかし、そんな有名作家さんが、

金で男を選ぶ女達への、憎しみと、愛を描いたのである

 

 

「坊ちゃん」の「マドンナ」は婚約者を捨てて、より地位のある男を選んだが、

その地位のある男は完全に悪役で、最後に仕返しされている

これと対比するかのように、「清」は、

教師ですらなくなった坊ちゃんに愛情を持って一緒に生活した

ただし清は坊ちゃんの母親世代あるいはそれ以上の年齢であり、

かつ、亡くなった

 

三四郎」のヒロインは、それまでこの女をめぐって

ひたすらあたふたしてた三四郎やその周囲の男ではなく、

「銀行員」と、あっさり結婚した。三四郎には事後報告のみ

 

「それから」の主人公は、後に傾くとはいえ資産家の息子の「高等遊民」であり、

勘当をされたとしても、本当に飢えるような心配は決してない男だった。

ヒロインの人妻は夫を捨てて、主人公に事実上猛アプローチをかけ続け、

男同士の直接対決をやらせて、離婚+主人公との再婚を決めた

度胸も腹も据わってたヒロインに対し、

あたふたさせられた主人公であった

 

「こころ」の「先生」は、

かつて親戚から財産目当てで縁談を持ちかけられ、それを断って、

孤独になった男だった

そして、どうみても「先生」よりも金がない「K」が登場し、

Kが「お嬢さん」とその母親から当て馬的に使われた結果、

先生はあわてて、お嬢さんの母に結婚を申し入れた

その結果、Kは自殺した

 

さらに、目当ての女性と結婚できたはずの先生は、

まったく幸せそうではなかった

結局、先生もまた、自殺した

「お嬢さん」と、その母親は、

男二人を、自殺においやったのである

 

作中に出てくる、Kが最後に発した言葉

「なにかお祝いをしてあげたいが、私は金がないからそれができない」

 

 

金や地位や肩書きで男を選ぶ女達を、憎み、恨みながらも、

そんな女を求めて苦しんでいる、男達

 

 

清がどれだけ坊ちゃんを完全肯定してくれていても、

マドンナなのは「マドンナ」であり、

男達が取り合ったのも、清ではなく、マドンナだった

 

 

三四郎が求めたのは、おそらく昔から自分を好いているであろう、

「三輪田のお光さん」ではなく、美彌子だった

 

他の男を当て馬に利用して、金のある男からの求婚を引き出すことに成功した

「お嬢さん」を、

Kも、先生も、好きであった

 

清は、実は坊ちゃんの母親ではないか、との説がある

それだけ清が、ずっと坊ちゃんを完全肯定してくれたからだ

坊ちゃんが肩書き悪くなろうが収入が半減しようが、

とにかく清は、唯一、清だけは、

坊ちゃんを完全肯定してくれていた。

そしてあっさり亡くなった

 

母親のような完全肯定を求めながら、

実際には金や肩書きで男を選ぶ女達を、愛してしまい、

そのための自殺すらしてしまった、男たち

 

これを、「超・超有名作家」という肩書きを既に得ていた男が、

描き続けたのである

 

ただし、その男は

自殺はしなかった

「こころ」で、男二人を自殺させたその男本人は、

自殺はしなかった

北村透谷という詩人は、妻を婚約破棄させてまで恋愛結婚をしたが、

収入が少ないことで妻になじられたことを、わざわざ世間に公表し、抗議してから、

首をつった

しかし、夏目漱石は、自殺はしなかった

 

よく、自殺してしまった人について、その理由を考察されることがある

しかし、夏目漱石がもし生きていいたら、こう聞くべきかもしれない

「なぜ、あなたは自殺しなかったのか」と