彼女いない歴35年、モデル体型女性と結婚できました

モテない苦しみと、モテない男が可愛い女性と結婚できた経緯を語ります

夏目漱石のなにがいいかって、「女がなにを考えてるか最後の最後までわからないまま」

夏目漱石の小説の多くにあるパターン

 

「ヒロイン的存在の女性登場人物に、

主人公の男や、主人公の周りの男が、

さんざん引っかき回される or 勝手にあたふたしている。

そして結局、ヒロインが内心で一体なにを考え、どういうつもりで各種の言動をしてたのかは、

種明かしはされず、不明なままで話が終わる」

 

そしてその読後感が、ちょうどいいあんばいなのがいい

 

この世のたいていのお話しが、

主人公がモテモテか、結構モテモテか、

あるいはあまりモテなくてもヒロインからは

「あなたは色々とダメでしょうがない、けど純粋だわ」みたく認めてもらえている

 

例外的に武者小路実篤の「友情」は、

一応真面目なキャラ(悪役や笑われ役ではない)の主人公の男が、

好きな女から

「ありがた迷惑・そばにいたくもない・あの人とくっつくぐらいならまだ○○さんとくっついたほうがマシ」と

普通に嫌われてるという、珍しいパターンではある

これはこれで面白いけど、なんか露骨な現実すぎて(特に私にとっては)、

それ以上の深みがない

 

しかし、夏目漱石に出てくるヒロイン達は、内心が謎のままなのである

男達は引っかき回されっぱなしである

 

三四郎」の三四郎や野々宮と、ヒロイン

「それから」の主人公と友人(ヒロインの夫)と、ヒロイン

「行人」の主人公とその兄と、兄嫁

「こころ」の先生とKと、お嬢さん

「明暗」の主人公と、昔主人公を捨てた女

それぞれ、ヒロイン達が内心でなにを考えてるのかは、

最後まで不明なままである

 

もちろん「それから」や「こころ」のように主人公とくっつくことになるヒロインもいるのだが、

「こころ」のお嬢さんの内面は、まったく不明なままだし、

「それから」のヒロインも、いまいち中身を主人公にも、夫にもつかませていない

 

この、ヒロイン女性達との、遠い遠い距離感が、

私のようなモテない男にとっての、「女性」像そのままなのである

 

 

私がこれまで好きになった女性たちも

中にはそれなりに会話を多くしてくれた人や、

それなりに互いの身の上話もしてくれた人もいた

 

だが、

結局私には、彼女らがあの頃、内心でなにを考えていたのか、

わからないままである

人によっては何十年も、わからないままである

ずっと、わからないままである

 

彼女らがそれを私に教えてくれることは、なかった

一度もなかった

教えてくれることもなく、「三四郎」のヒロインのように、

気がついたらどこか遠くへいってしまっていた

私にはなにも告げることもなく

 

 

いつか、彼女らのうちの誰かが、

私にそれを話してくれる日は、くるのだろうか

 

それとも、そんなことはまったくなにもないままに、

「K」や「先生」のように、

なにかに殉死する日のほうが早くくるのだろうか