女にモテなくて本当に苦しんだ男にしか夏目漱石はわからない
女にモテなくて本当に苦しんだ男にしか、
夏目漱石は理解できない
モテない苦しみを知らない方々に、
「こころ」のKが、
たった一人の女に振られただけで、
なんで死ななきゃいけなかったのかなんて
永遠にわからない
別にそれまで付き合ってたわけでも特に仲良かったわけでもなんでもない、
たった一人の女に振られただけで、
なんで死ぬしかなかったのかなんて
永遠にわからない
「マドンナ」とは縁もゆかりもなく、
既になくなった母親代わりの「清」の話しで終わらせるしかなかった
「坊ちゃん」の気持ちも、
好きだった女が自分の全く知らない間に、
全く知らない男と結婚していて、
「ストレイシープ」とつぶやくしかできなかった
三四郎の気持ちも、
「行人」の三沢が、
とっくに死んだ精神病の娘が、
自分に惚れていたんだと思い込み続けようとした気持ちも、
Kが、「もっと早く死ぬべきだったのに」と
遺書に書いた気持ちも
モテなくて本当に苦しんだ男にしか、
わからない
お前らにはKのことはわからない
一生わからない