おそらく唯一の、モテない男がまともな主人公な小説、「友情」武者小路実篤
武者小路実篤「友情」
このお話の主人公はですね、なんと、なんと驚いたことに
女にフラれるんですよ
男が女にフラれるなんて、実際の世の中では当たり前にあることです
でも、
・「真面目なお話」の、
・「まともな主人公」(道化やおかしい人とかではない)が、
・「まったく相手にされず女にふられ」
・「救いもない」
このすべてを満たしているのって、「友情」ぐらいかなと
「- 主人公の男がヒロイン女性とそこそこ仲良くなれて、両思いみたいな感じにもなったけど、
なんやかんやで、女性は他の男に嫁いだ ー」
これだったらある程度ありますよ
でも、「友情」の主人公はそうじゃないんですよ
ただ単に、フラれるんですよ
本気で好きになって、恋い焦がれた女から、
「ありがた迷惑」
「この人とくっつくぐらいだったら、まだ〇〇とくっついたほうがマシ」
と陰で言われてたんですよ
真面目な話のまともな主人公がね
こんな話、ほかにないでしょ
あえて他に探すなら、主人公ではないけど、
夏目漱石「こころ」の「K」ですかね
まあKは当て馬ぽいとはいえ、「お嬢さん」と、
そこそこ仲良くなれてましたが
「友情」の主人公は、堂々と、
好きになった女から、迷惑がられているんですよ
なんでこういう話が、ほかにないんでしょうね
神よたすけたまえ