「愛してくれなかった人たちへ」

僕を　愛して　くれなかった　人達に

今日で　さよなら　告げよう

（作詞：服部ゆみ子）

20年も前に、ラジオから流れてきた歌でした

当時は高校生だったかな

私はこれは、自殺を示唆した歌詞だと、ずっと思っていました

しかし最近ふと、なんの理由もないのに

違う意味に思えたのです

実は、これはポジティブな内容ではと

もっと言えば、「ポジティブなれ」と言っている歌詞だとも、

解釈できるじゃないかと

もちろんポジティブといっても明るいものや叱咤激励ではないです

とてもつらい、悲しい、絶望にまみれて肩をがっくりと落としている、

でも、一歩は、一歩だけは前に進もう、

そう言ってるともとれるなと

まことに残念ながら、ぼくを愛してくれなかった人たち。

でも、愛してくれなかった人たちに、

「今日で」、さよなら告げようと、決意したんですよ

やっと、決意できたんですよ

愛してくれなかった人たちに、愛してもらうと必死にもがき続けることを、

今日で、終わりにするんですよ

もちろん、その人たちにさよなら告げたところで、

日本のどこかに愛してくれる人が待っている保証なんてまったく何一つないですよ

そんな特権は女性だけです

でも、それでも、さよなら告げるんですよ、今日

愛してくれなかった人たちに、もう、今日でさよなら告げるんですよ

それを決断できたんですよ

さよなら告げた後になにがあるのか、それはわかりません

もっとつらい世界が待っているかもしれません

でも、さよなら告げるんですよ、愛してくれなかった人たちに

今日で

もっともっと悲しい世界が待っているかもしれない

でも、ここからは一歩踏み出すんですよ、今日

俺を決して一ミリも愛してくれなかった人たちに、

さよなら告げるんですよ、今日

これは実はギリギリのところでポジティブなんですよ

でも、この歌

歌の主人公が「今日でさよなら告げよう」と思ったことまでは書いてますが、

その後はふれていません

歌の主人公は、愛してくれなかった人たちに、

今日でさよなら告げることが、

本当に、できたんでしょうか

だって、今日までさよなら告げられなかったんでしょ

自分を愛してもくれなかった相手なのに、

さよなら告げることに、決意が必要だったんでしょ

なにかもなくして、どんなに疲れ果てても

まだ信じたいんじゃないんでしょうか主人公は

愛してもらえる、と

ちゃんと、今日でさよなら告げることが、

できたんでしょうか